逃げて勝つ投資の鉄則 田中泰輔

もともとは経済が主で市場が従だったが市場に実態経済がふりまわされる。

過去十年、中央銀行の製作は効果を発揮し、経済成長したため、今後も伸びるだろうと考える人もいる

しかし、30年前から10年前までの経済はバブルと暴落の繰り返しが続いており過去10年間の成長がこれからも続くとは限らない。

 

○日本円と景気DIの相関

基本、景気が悪くなるとその国の通貨価値は下がるが日本円に関しては反対の動きをとる

 

景気がよくなれば円安が起こり、景気が悪くなれば円高になる。

景気が悪い際はデフレ、円高による輸出の売上減、そして賃金が上がらない負のスパイラルに陥る。

 

○投資行動が損失へと歪む

自分の信じた市場の動きに対して、確証バイアスを得る

 

自分の考えを人に教えることも不安から来る親和欲求によるもの。

不安を和らげるために伝えるだけ。

 

 

 

○長期+分散+積立の罠

 

長期:現金が必要になった際に、暴落する可能性

分散:もともと、株式と債権での分散の投資が主流だったが債権の金利が低く、預金とほぼ変わらない状況。

そのため、リスクのある株式に投資することは集中と変わりない。

 

個人的には株式でも分散は必要だと思うので当てはまるとは思う。

 

積立:上げ相場に確信を持てるなら積立より一括投資するべき。

 

○人気テーマ投資の呪い

相場が自らトレンドを強化する性質がある相場が上がる際になぜ上がるかを専門家が説明し、強調する。

 

現在の米国株投資も相場が伸びている理由を解説し、市場の強気を煽る。

結果、実態経済とかけはなれた相場になる

 

 

〇投資資産の管理の分け方

構造的トレンドを示す超長期(10年以上)、景気サイクルを映す長期(2年~10年)、金融現象の中期(3か月~2年)、投機主導の短期(日中~3か月)で分ける。

 

情報収集する際もその情報がどのスパンの投資資産にインパクトのある情報かを分けて集めることで整理しやすい。

 

〇超長期投資のリスク資産配分

今後20年、30年後に伸びる国を予想するのは困難。リターンを受け取るためには株式などのリスク資産を中心に分散投資する必要がある。

著者は海外と国内の株式を半々または海外を多めに配分することが妥当と主張している。

悲しいかな日本経済の低成長ぶりや人口減少、企業の新陳代謝などを見ると国内株式の投資にはあまり未来がないように思える。

 

しかし、投資期間終盤の10年以内になった際に逃げ時期を見落とすことの深刻なリスクに備える必要がある。