バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール

利益そのものよりも、利益の源はどこにあるか?

 

利益率の高さが競合優位性がある企業か判断する基準のひとつ

 

粗利率が何%か40%以上は永続的競合優位性を持っている企業の可能性がある。

 

研究開発費が多い企業は競合優位性が陳腐化する危険性を恐れている。

 

営業利益にしめる支払い利息は企業の危機レベルを示す

 

純利益が右肩上がりか

売上高における純利益が10%以下は激しい競争下で戦うことを強いられている。

反対に常に純利益率が20%以上は何らかの競争優位性を持っている可能性がある。

 

一株当たりの利益は自社株買いで株の個数が減るため正しく測れないことがある

ただ、1株あたりの純利益が長期的に伸びているか、もしくは一時的に下がったり上がったりしている企業かで判断できる。

後者は自社株買いやコスト増(広告宣伝、研究開発)などが多い不安定な企業の可能性がある。

 

 

貸借対照表

現金および短期投資が事業の売却、社債の発行などで手に入れたものではなく本業にて稼いだ現金を蓄えられているかどうか。

さらに借入金が少ない企業であれば大不況でも生き残れる可能性が高い。

そして、長期的に収益の一貫性が確認できる場合は永続的競争優位性を持つ優良ビジネスの可能性が高い。

 

棚卸資産:倉庫にある在庫

成長企業は純利益とともに棚卸資産も増える。

不安定な企業は棚卸資産の上下が激しい。需要と供給に振り回されている。

 

売掛金が他社よりも一貫して低いと優位性を持つ企業である可能性がある。

他社と比べて請求に妥協する必要がない。

 

土地及び生産設備:激しい競争の中で戦う企業は生産設備に投資し続ける必要がある。

 

無形資産:特許、ブランド名、著作権、商標など。

他社から買い取った時のみ計上されるが、自社内で構築した無形資産は計上されない。

その会社が構築したブランド名、特許などの価値が計上されないがこれを評価して競争優位性があるのかを判断する必要がある。

 

〇負債

短期借入金が長期借入金より上回っている場合は投資対象から除外せよ

長期借入金の返済を短期借入で賄う方法を取っている可能性。

 

長期借入金・長期借入金満期分:

競争優位性のある企業は基本的に長期借入する必要がない。

 

直近10年間の長期借入金の状況をチェックし、事業運営を打通じて長期借入金がほとんど生じていなければ競争優位性を持っている可能性が高い

また、長期借入金を3~4年で返済できる純利益を出していること。

 

 

負債比率=負債合計/純資産合計

競争優位性の高い企業は事業の稼ぎで事業資金を賄うため負債比率は低い

 

ただし、永続的競争優位性を持つ企業は純資産を維持する必要がなく、純資産を自社株買いに振り向ける。

そんのため負債比率は永続的競争優位性がない企業と変わらないようになるが、この時は自己株式調整済み負債比率の数字を見れば永続的競争優位性を持つ企業かそうでない企業かを判別できる。

 

【純資産】

優先株普通株

優先株:配当を普通株より早く支払う必要がある。議決権はない。さらに優先株の配当は税引前利益から控除できない。

そのため現金を集める能力は高いが、本業で稼げる永続的優位性のある企業は優先株保有する必要がないため、優先株を持っていないことが多い。

 

内部留保

永続的優位性のある企業は長年にわたり内部留保を積み上げている。(コカ・コーラ年7.9% リグリー10.9% バークシャーハサウェイ23%)

各年度の内部留保に回される額は税引き後純利益から自社株買いと配当を抜いた額になる。

ただし、内部留保は買収による増加やマイクロソフトのような自社の経済のエンジンが強い場合に累積内部留保を上回る自社株買いと配当に回すこともある。

 

 

自己株式

自社株買いを行い、株式を失効せずに保有する場合は自己株式に計上される。

自己株式が存在することは収益性が高く、自社株買いに回せるため永続的競争優位性を持っているか見定める際の判断基準となる。

 

 

株主資本利益率

株主資本利益率が高い企業は永続的競争優位性のある企業の可能性が高い。

株主資本利益率が高いとビジネスの根源価値を継続的に増加させていく。

 

 

永続的競争企業は資本支出が少なくなる傾向がある

10年分の資本支出と10年分の純利益の総額を比べる。純利益における資本支出の割合が50%以下だと永続的競争優位性の高い企業の可能性がある

 

事業継続のために多額の資本支出が必要な企業は競争優位性の低い企業である。

 

 

自社株買いを(投資活動におけるキャッシュフロー